去る令和5年3月5日(日)に松山市男女共同参画推進センターを配信場所として、zoomを用いたオンライン講座 第5回生涯研修会(第一部:はりきゅう市民公開セミナー、第二部:学術研修会を開催した。
講師には、黒川胤臣先生(品川荏原ライフケアクリニック院長、防衛医科大学校外科系漢方外来非常勤担当)をお迎えして、第一部は、「癌患者の緩和ケアとしての東洋医学的アプローチの役割 ─特に経穴経絡治療の有用性について─ 」、第二部は「癌患者と鍼灸について ─癌患者のQOLをサポーティブケアする経穴経絡治療の具体例について─ 」と題してご講演いただいた。
黒川先生は鍼灸治療はがん患者のQOLをサポーティブケアする効果的な治療であり、積極的に活用すべきであるが、次のような点に注意すべきであると説明された。
1、癌疾患の病期・病態・経験に応じて、選穴部位・選穴数を慎重に選択する。
2、選穴:初診時は少なめに施術する。癌組織には直接刺鍼しない。
3、施術は弱め・浅め・軽めに施行する。
4、副反応(有害事象)を起こさせない。合併症・使用薬剤に注意。
5、鍼灸に理解ある主治医と相談して施術する。
6、鍼灸単独で癌患者を治そうとしない。
今回の講演は鍼灸はがん患者をサポーティブケアすることができる治療であり、積極的に治療すべきであるということを示してくれた私たち鍼灸師を後押ししてくれる意義ある講演でした。
参加者は、第一部 48名、第二部 43名、会員16名(会場受講3名 オンライン受講13名)、会員外27名(全てオンライン受講)でした。
2023.03.31